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おすすめグルメ情報
 長年、大阪の堺で修業を積み、その地で独立。5年の年月を経て、2010年6月、西天満に移転した。常連さんには、大阪のキタで仕事をする人も多く、店主のさんの英断を歓迎する声も聞こえる。なじみのお客さんが「今日はどんな料理があるかな」と、楽しみにのれんをくぐる店でもある。
寿司屋の一品料理は、主人の腕前と人生観が現れるもの。造りと季節の野菜の天ぷらで酒がすすみ、カラスミを注文すると色が淡い。これが、「ハモの卵の自家製カラスミ」だった。ただでさえ下処理に手間のかかるカラスミを自分で作るとは!しかもハモ! 驚きを隠せずにいると、「今日はイノシシがあります」と猪肉の塩煮が登場。酒と塩だけのシンプルな味ながら、イノシシのくさみが完全に消えている。「お寿司屋さんで、イノシシ?」と驚いていると、「この主人がイノシシを料理したらこうなるのか」と、常連さんの納得する声が聞こえた。

 魚は、瀬戸内海や大阪湾など、鮮度が保てる近海ものが中心。信頼できる卸から仕入れることで、下処理の方法を互いに確認しあい、ベストな状態を計算する。その魚の身を見て食べごろをはかり、焼き霜、昆布〆などのひと手間をかけたり、料理に7種類の塩を使い分けるなど、魚がよりいっそう美味しく料理されてくる。ひとしきり飲み、食べた後は、当然寿司がシメになる。口に入れると、ほどけるようなシャリの食感。その控えめな味が、魚の旨みを引き立て、甘みすら感じる。この店で主人との会話を楽しみ、料理を選び、酒をたしなむのは、男性の特権ではなく、実は女性同士の来店も多いそうだ。

 時には、知人が持つ近郊の山に入り、山菜や竹の子、松茸を採ることもある。自然の中ですごす静かなひとときが癒しであり、新たな創作の糧となっているに違いない。山海の幸が持つ新鮮な旨みを昇華させた料理の数々、感性を駆使した料理人の表現を味わいたい店。
POINT
冬季は堀ごたつの個室で食べる「てっちりコース」が人気。3~5kgの天然フグをしめて、水をあてずにさばいていく。数日ねかせ、身が熟した頃に提供する。手間はかかるが、デリケートな身が水分を吸わず、質感食感ともに損なわれない技法だ。
自家製コロの関東煮

貴重な鯨肉でコロを作り、
その旨みを煮含めた
ヨコワ・サバ・煮はまぐり

自家製わら焼きのヨコワ、
サバの上には自家製の麦味噌
季節によって違う銘酒が並ぶ
DRINK

生ビール 500円
日本酒 700円?
焼酎 500円?

SHOP DATA

電話/06-6312-0888
住所/大阪市北区西天満2-10-9
休み/日曜・祝日
営業/17時?23時
その他/個室(4人) 要予約。 個室のみ喫煙可。
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